トーメンは、青森県下北郡東通村(ひがしどおりむら)岩屋(いわや)地区で、32500kWと国内最大となる風力発電事業を行う。通産省から認定(2000年8月31日付)を受けた新エネルギー事業者としての東北電力向け売電事業となる。この事業は、下北半島の東端にある尻屋崎(しりやざき)の南西5kmに位置する東通村岩屋地区の約500haの土地に風力発電所の建設・運営を行うというもの。総事業費は約70億円の見込みで、2001年11月に完成後は17年間の長期にわたり、風力発電でおこした電力を全量東北電力に販売する画期的なプロジェクトだ。
同社が国内最初の本格的な風力発電施設として事業化・運営している、現時点では日本最大の大型集合風力発電施設「苫前グリーンヒルウィンドパーク」(北海道苫前町、1999年11月より商業運転)を上回る日本最大の施設となる。東通村岩屋地区は日本有数の風況に恵まれた東北随一の好立地で、ここにデンマークのボーナス社製1300kWの最新鋭タービン25基が効率良く配置されている。同社と土地所有者である「東通村岩屋22名会」は、風力発電所としての土地利用について合意しており、東北電力とは、17年間にわたる長期電力需給の合意ができている。購入単価は17年平均して1kW時あたり11円50銭ということだ。本事業推進のために、国内発電事業の統括会社であるトーメンパワージャパンの全額出資によるトーメンパワー下北(現資本金1500万円)を1999年10月に設立した。
通産省に対しては、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)8条」に基づく利用計画の認定申請を行い、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に対しては、新エネルギー事業者支援対策費補助金交付申請を行っていた。その結果、この事業は新エネルギー法に基づく新エネルギー事業者として、通産大臣の認定を受け、NEDOより補助金の正式交付決定通知をうけている。
トーメンは日本・米国・欧州の世界7ヵ国で風力発電事業を運営中で、建設中の案件まで含めると70万kW規模の風力発電事業を展開しており、世界の風力発電量の約7%を占めており、世界でも最大規模の風力発電事業会社と位置づけられている。
地球温暖化問題などによる、クリーンエネルギーの利用を拡大すべきとの機運の高まりから、このところ日本においても風力発電への関心が急速に強まってきている。国内各地においてもクリーンエネルギーである風力発電事業を推進し、苫前・下北の案件も含めて、21世紀の初めには30万kW規模の発電量まで拡大する方針だ。しかし、自然エネルギー(水力発電などを含めた場合)のエネルギー総供給量は、98年度で全体の5.3%に過ぎず、現行の需給見通しでは2010年度に7.5%に引き上げる目標とのこと。茅陽一・総合エネルギー調査会総合部会長(東大名誉教授)は「これ自体が相当難しいターゲット」と指摘している。これに対し、飯田哲也・同部会委員(日本総合研究所主任研究員)は、「政策の選択なしで、こうなると言っても意味がない」と強調。自然エネルギーの買い取り費用を政府が電力会社に出している、欧米並みの強力な普及政策への転換が求められている。
参考:既存エネルギーとのコスト比較
| | 現行 | 将来見込み | 比較 |
| 住宅用太陽光発電 | 81円 | 24円 | 23.3円(家庭用電力料金) |
| 事業用風力発電 | 16円 | 11円 | 6.5円(火力発電単価) |
| 廃棄物発電 | 16円 | 9円 | 15.9円(電力平均単価) |
※いずれも1キロワット時当たり。将来値は設置コスト低減、運転長期化 の場合。通
産省試算。
(参考資料:10月5日付 毎日新聞ニュース速報)
(文責:編集部 立山裕二) (エコロジーシンフォニー2000年10/10)
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