このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます


特殊工程の「認定された工程、設備及び要員についての記録」は作業ごとに必要ですか?

 先日ISO9001の定期審査が終わり、次のことがマイナー事項として指摘されました。

・品質マニュアルでは「認定された工程、設備及び要員については、適宜、記録を維持・管理する」と定めているが、×××課課に於て、成形条件、設定工程名が特殊工程と認定されているが、成形条件及び要員の客観的証拠となる記録がなかった。

というものですが、ここでいう記録とはどのようなものかよく分かりません。
 私はISO9001の要求事項「4.9工程管理」の最後の方に記載されている「認定された工程、設備及び要員については、適宜、記録を維持すること」という部分を
1)どの工程が認定されているか
2)どの設備が認定されているか
3)認定された作業員は誰か
の3項目をリストに記録にしておけばよいと解釈していました。
 審査員は毎日の作業記録をとり、保管しておくようにとの指摘です。
 いわゆる特殊工程は、上記の認定者以外作業してはならないと手順書で取り決めてあり、実際上も、それ以外の要員が作業できないところですので、上記の認定記録で十分と解釈していましたが、間違っているのでしょうか。
 一方、4.10.5は検査・試験を受けた証拠となる記録を作成し維持することと明確になっておりますので、すっきりしません。

ISO9001規格の4.9「工程管理」の特殊工程に関する記述の部分を読むと、原文もそうですが、「認定された工程、設備及び要員については、適宜、記録を維持すること」のくだりにある「記録」が何(どの範囲)を指すかはハッキリしません(したがって、貴社の考え方を定め、聞かれた場合は明瞭に自信をもって答えられるようにしておくべきでしょう)。
 4.9に書かれてあるから、審査員が指摘するように、特殊工程として必要な管理が維持・運用されていることが検証できる記録を指しているようにも思えますが、それは価値観も含めた個人的な見解でもあって、そのような解釈にすべき明確な根拠はありません。
 言い換えれば、もし貴社が上記質問の1)、2)、3)のように解釈され、そのように運用されたとしても、それを不適合とする根拠もないことになります。
 それに「適宜」というのは、適切な限り、適切ならば、という意味で、何もかも記録せよ、ということではないのです。このあたりも(貴社としても)ハッキリさせるべきです。
 ただ、あえて個人的な意見の範囲で言えば、「毎日の作業記録をとり、保管しておくように」というのは、あまりにも勝手な押しつけだとしても、特殊工程としての要件が確実に実施され、維持され、管理された状態にあることの客観的な裏付けがもう少しできるようにしておいても良いように思います。
 これは推測でしかありませんが、審査の際に審査員がそのあたりに確証をもてず、しつこく訊いたのかも知れません。


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