このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます
内部品質監査にて「経営者」を監査することが望ましいのでしょうか?
弊社の内部品質監査では、代表取締役に指名された内部品質監査員が代表取締役の
指示のもとに各セクションを対象にして、内部品質監査を行います。ここで代表取締役が
自分の指名した内部品質監査員により、監査されることになるのに矛盾を感じています。
本来はどうなのでしょうか? よろしくご指導ください。私の見解は下記のとおりです。
経営者は品質システムの機能の一部であり、内部品質監査の対象である、と考えています。
また、内部品質監査は品質システム見直しの手段の一つの方法であり、その結果を代取は
利用しているにすぎないのではないかと思います。
「内部監査は経営者にも行うべきか?」については、ISO Worldのどこかにも書いたように
思うのですが、これは審査機関によって考えが異なるようです。例えばLRQA(ロイド)や
DNVでは経営者に対する内部監査は要求していません。
おっしゃるように「経営者は品質システムの機能の一部であり、それが機能しており有効で
妥当なものであるかどうか」を確認するために必要だとする考えがあります。一方では「監査
はそもそもクライアント(依頼者)があって行うものだから、内部監査のクライアントとみら
れる経営者には行う(行える)筋合いのものではない」「品質システムそのものが経営者の経
営方針(品質方針)を従業員にうまく(=有効かつ妥当に、効果的に)達成させるためのもの
だから、おおもとの経営者を監査しても意味がない」「監査しても効果がない、形式にとらわ
れすぎ」などの意見もあります。
結局、審査機関の考えを聞き、意見が異なるときは議論して双方がお互いに納得する結論を
出す必要があると思われます。私自身が知っている幾つかの代表的な審査機関では、経営者に
対する内部監査は要求しておりません。
個人的な意見を申し上げれば、(社内規定によって定めに違いはあるでしょうが)経営者の
責務は品質方針をきちんと立て、組織がそれに沿って成果を上げるように経営し(この確認は
経営者以外の内部監査で)、マネジメントレビュー等でそれを評価して必要なら何等かの軌道
修正をすることだけです。品質方針が無いはずはありませんから、内部監査をするにしてもマ
ネジメントレビュー(と必要な軌道修正)がされているかどうかを確認するだけであり、形式
に拘ってわざわざやるほどのことはない、と考えています。
そもそも誰もマネジメントレビューの中味を評価できる立場にはありません。さらに言えば、
会社によってはマネジメントレビューの内容が社内極秘(組織や人事など経営(資源)問題に
からむので)として部下には見せられないケースもありますからね。偏見をまじえてさらに放
言すれば、経営者が従来から行ってきた組織や人事、その他の経営問題の判断と、ISO9001のマ
ネジメントレビューが別々の二層構造になっていると、マネジメントレビューは形だけの、経
営には(=会社にとって)定着していないものだという疑いがあります。経営者に対する内部
監査をするのなら、そこまでやるべき(そこまでできる人がやるべき)でしょうね(あくまで
私見ですが)。