このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます


文書管理では最新版よりも現在通用版を管理する方が意味があるのではありませんか?

 文書管理の「最新版」訳について、以下のような意見があります。
 current revisionを「最新版」と訳していますが、現在適用(使用)している版であり、現行版とか、カレント・レビジョンとか、何か適切な言葉があると思います。current revisionは現時点で適用されている版であり、また、最新版(latest revision)は、現時点で最新版であるとことの意味だけで、その版が適用されているのか(有効か)、いないのか(無効か)の状態を示すものではなく、もしかすると、現時点の最新版は適用せずに、次の版にskipされるかも知りません。

ISO9001 4.5.2 「〜文書の最新版の状態を明確にする台帳又はそれと同等の文書の管理手順を定め、無効文書及び/又は廃止された文書の使用を防ぐために常に利用できるようにしておくこと」

ISO9001 4.5.2 a)「〜すべての部門において、適切な文書の適切な版が利用できること」

ISO14001 4.4.5 d)「廃止文書は、すべての発行部署及び使用部署から速やかに撤去されること、そうでなければ意図されない使用がないように保証すること」

 上記の文章を言い換えれば
1.無効文書及び/又は廃止された文書の使用を防ぐためにcurrent revisionの状態を明確にする。
2.なぜならば、使用する文書revisionは、部門間において適用時期に差異が生ずる場合があるので、何時から有効になるのか、無効になるのかを台帳及び他の方法で管理する。
3.まだ適用時期になっていない文書(無効な状態の文書)を保管する場合は、使用部署で何らかで区別し、管理する必要がある。
4.旧版を安易に回収したら、current revisionが使用できなくなる。
5.旧版であっても無効文書ではなく、無効文書にすれば修理に使用できなくなる。

 例えば購入部品の図面がrevision upされ、今までのrevisionで既に発注されものは使用可とした場合、購買部門では直ぐにnew revisionを使用するが、受入検査部門ではしばらくの間、今までのold revisionを使用することになります。
 適用がnext orderであれば、1週間後か、1ヶ月後か、6ヶ月後かわかりません。current revisionは、それぞれの部署で時間差があります。

 また、無効文書とは、既に効力を失った文書または今後効力を得る文書で、ISO14001 4.4.5 d)では、無効文書について触れていません。current revisionを間違えなく使用できように管理できればよいと考えられます。
 私の意見は、current revisionが重要であり、「最新版」を知ってどうするの?です。如何なものでしょうか。

 はい、ほぼそのとおりで、current revisionは最新版と表現するよりも「現行版」あるいは「有効版」とした方がより適切だと思われます。もっとかみ砕いて言えば、いま活きているとか、いま通用するとか、おっしゃるようにいま適用されるべき、というニュアンスでしょう。
 ふつうは(とくに指定しない限り)現行版は最新版ですが、そうではないケースもままあります。例えば顧客から受注した注文が「3年前のあの図面でモノを作ってくれ」ということであれば、3年前のあの旧版の図面が(その注文を工程に流す限りにおいて)current revisionに復帰します。

 また、「上記の文章を言い換えれば…1…2…3…4…5…」もそうです。例えば、改善のためにある製品の図面を設計変更した場合は、その「最新版の図面」は「どの製造ロットから適用するか」をハッキリさせておかないと量産(流れ物)製造の場合は混乱がおきます。おっしゃるように購買から出荷までの各工程において大きなタイムラグがあるからで、ある瞬間をとらえると、購買はもう最新版を使っているが製造はまだ旧版でモノ作りをしなければならない、という状態がありえます。そしてそれぞれの部署ではいま使うべきその版がcurrent revisionになります。あるいは4.5.2a)のthe pertinent issues of appropriate documentsに該当します。

 ISO14001 4.4.5 d)の件もそのとおりですが、強いて言うと、ISO14001の4.4.5の最後のパラグラフに「…指定の期間保持…」というのがあり、最初は妙な要求だと思っていたのですが、「効力を失った昔の図面など(復帰するかも知れないもの)」をこれに当てはめるような解釈をすれば救われます。

 全体に十分説得力ある意見だと思います。ただ文書管理部門にとっては、何が最新版であるかハッキリさせることも重要でしょう。文書を使う側にとってはご意見のとおりですが、管理する側では最新版がどれであるか分からないのは、まずいように思いますが。


ホームページに戻る