このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます
ISO9001の対訳版を読んでいて、いまさらながら気付いたことがあるのですが、qualificationの訳に2通りあります。
4.4(設計管理)では「qualified personnel」を「有資格者」としているのに、4.9(工程管理)では「qualified operators」を
「認定された者」と訳されています。また、これに関連するISO9004の18(要員)では「qualification」を「資格認定」と訳しています。
「qualification」あるいは「qualified」といえば、日本的に考えると「資格」とか「能力」(「qualified personnel」と「qualified
operators」はいずれも「資格のある人」とか「能力のある人」)程度の意味で、「認定」という行為まで含んでいるとは思えないのですが....
ある人にいわせると、「認定されていなければ有資格者と認められない」らしいのですが、私の意見としては、例えば設計者の
資格基準があって、職歴表や教育記録からその基準を満たしていることが証明できれば、特に「認定という行為がなくても」有資格者と
認められるのではないかと思います。
この理論でいけば、いわゆる特殊工程といえども、認定の必要はないと思います。と、ここまで書いてきて、ふとISO8402を見ると、
「qualified」とは「規定要求事項を満たす能力のあることが実証されている....状態」となっていて、やはり「認定」とは違う
意味に捉えられます。(ところが、その上では「qualification process」を「資格認定プロセス」なんて訳しているから、わけが
判らなくなる!)
これはどのように解釈されますか?
「qualified」の解釈(定義)はおっしゃるようにISO8402にあり、ISO8402に定義されたものは「ISO9001の規格の一部をなす」わけですから
「規定要求事項を満たす能力のあることが実証されている」と捉えなければなりません。そしてその実証(デモ)がされるために「設計者の
資格基準があって、職歴表や教育記録からその基準を満たしていることの証明」という裏付け(根拠、エビデンス)が必要でしょう。
日本語で言う「資格認定」がどこまで指すのか曖昧です。認定システム・手順や認定書までがいるのかといえば、少なくとも原文の解釈では
「設計者の資格基準があって、職歴表や教育記録からその基準を満たしていることの証明」どまりでも宜しいかと思われます。したがって
システム構築側(受審側)がこのように解釈すれば、審査する側がそれ以上のことを求めるわけにはいかないでしょう。(相互に議論して納得する
ことが必要でしょうが。)
ただ、たとえばqualificationされた設計者などは多数いるはずですから、上記の結果を「資格認定」として登録し識別することは、
運用上の便宜として、よい工夫であるかも知れません。