このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます
海外(海外現地法人:販売会社を経由して)から部品を輸入している場合、購入元の評価は現実には難しいと思うのですが、規格に対してどういう様な対応が可能でしょうか?
当工場とは別の子会社(国内)から加工部品を購入している場合は?
海外現地法人で加工した部品を輸入している場合は?
海外メーカから物品を調達する場合の「購入元の評価」が「現実には難しい」かどうかは「どのような評価をするか」によります。評価は、かみ砕いて言えば、こちらの要求を満たしうる能力があるかどうかを見るわけで、性能・機能面のほか、製造能力(いわゆるキャパ)、納期のほか、場合によってはコストなどの面も見た方がよいこともあります。このあたりは、何を確かめておいたら自分たち(の製品)にとって安心(安全)か、で決めればよいことです。
評価には(その程度によって)いろいろなやり方があります。たとえば、ISO9001(ISO9002)の認証を取っていれば、その確認だけでOKにする方法もありますし、こちらから確かめたいことをアンケート(調査票)形式にして先方に出し回答してもらい(ただしそのまま受け止めるのではなくて何かの項目を抜き取りで確めた方が無難)それを採点し評価する手もあります。
別の手は、品質管理などの手順書や基準がどのくらい揃っているか、コピーをもらうかその体系の説明資料をもらって点検するとか、こちらの仕様でサンプルを作らせてそれを評価してみるという方法もあります。
もっと楽な?方法は、その物品が標準品(カタログ品)で世の中でたくさん使用されているのであれば(そのための何等かの確証が必要ですが)、それで世の中の評価を受けているからOK、とする案もあります。また、過去の納入実績データを調べて(何かの基準に照らし合わせて)評価選定するやり方もひとつです。
その物品の重要性などによって、こうした評価(方法)の使い分けをしてください。子会社(国内)でも海外現地法人でも、事情は同じです。
4.6.3の最後に「購買文書の発行に先立ち、その規定要求事項の適切性について確認し、承認する。」というのがあります。最近は、コンピュータで注文を受信した後、コンピュータで必要な部品に展開し、下請負契約者にコンピュータを介して購買データを送っています。この一連の過程では、チェックは入りますが、購買の注文データを個々に責任者が確認したり、ましてや承認印を押すことなどは、実質的に無理です。このような場合の、適合/不適合の判断はどうなりますか。
「コンピュータで注文を受信した後、コンピュータで必要な部品に展開し、下請負契約者にコンピュータを介して購買データを送っています」という説明から判断すると、貴社のシステムは次のようになっていると思われます。
(1)受注物品(=貴社製品)とそれを構成する部品は標準化されている。
(2)したがって受注物品からそれを製造するのに必要な部品(購入すべきもの)は一義的に決まる。
(3)購入すべき個々の部品の要求事項(つまり4.6.3購買データのa)、b)及びc))は予め適切であることが責任者によって確認、承認できる。
(4)コンピュータにこのデータおよび処理手順が正しく(最新に維持されていることも含めて)インストールされていれば、インプットにミスが無い限りアウトプット(発注データ)が適切であることが合理的に類推できる。
以上のことから、標準化された個々の部品の要求事項の適切性が確認・承認され、コンピュータプログラム(システム)およびデータが検証され、受注情報が正しくインプットされていることが確認されれば、問題はないように思います。
あと、強いて言えば、このコンピュータシステムがメンテナンスできていれば、よりベターでしょう。
「この一連の過程では、チェックは入りますが」のチェックは、どんなものでしょうか。上記のことが補強できるチェックならいいのですが。
下請負契約者の評価・選定の記録は、現在取引きしている業者のものも必要でしょうか。現在の業者を選んだときには、そういう規定がなかったとも言えますが。
答えはYesです。「品質に影響する」全ての「現在取引きしている」業者の評価・選定が必要です。ただし重要度によって管理のランクわけは当然あるでしょう。取引業者には漏れのないように注意してください。輸送業者や設備の修理屋さんなど、製品のための資材や部品の供給業者(メーカ)以外のところにも良く目を向けてください。
なお、過去から採用してきた業者の扱いは、例えばこれまでの実績評価により認定しなおす方法もあります。この場合も明確な評価選定方法とその基準、および裏付け記録が必要です。
下請け外注先の評価に関して、納期・品質・価格・経営に関する評価基準を定め、新規取引先時や定期的(年1回)に評価することは、取引の選定・継続の管理方法としては不足でしょうか?
どういう項目、基準で評価すべきかは、それが製品に及ぼす影響度によって 貴社が適切と思うところで決めるべきです。4.6.2 b)をご覧ください。評価方 法・基準はランク分けするのが適切です。個人的な意見では納期・品質・価格・ 経営の4項目でよろしいかと思います。なお、ISO9001(ISO9002)規格が改訂2版(1994年版)になってから「品質システム」も含めて評価せよと変更になりました。
外注評価として外部品質監査を実施する場合、外注先に出向いてチェックしなければならないと思いますが、それなりに何十社ともなると出費も大きくなります。そのため、適用範囲をさらに絞り込んで(例えば、年間取引額が○○○百万円以上(ISO9001/9002を取得している場合は除く)など)品質監査しても要求事項として抵触しないのでしょうか?
貴社がそう判断される場合は、それで結構です。実際問題として、何十社にも出向いて外注品質監査をすることに必ずしも相応のメリットがあるわけではないでしょうから、評価方法・基準のランク分けで絞り込むことは適切な判断かと思われます。
(注:アンケート調査や書類審査など、全ての外注先に対して何等かの形で評価しておくことは必要です。)
外注評価としてよく行われる外部品質監査は、内部監査のように監査計画〜是正処置まで細かく文書に定める必要性はあるのでしょうか?(私自身としてはISO9001(ISO9002)はそこまで要求されていないと思うのですが・・・)
「ISOはそこまで要求されていない」というのは、そのとおりです。ISO9001(ISO9002)では4.6.1にあるように管理に必要な「手順を文書で定めよ」というだけで、どこまで管理すべきかは貴社の適切な判断で決定すべきことです。ただし、多くの事例を見ると内部監査と同様の手順でされているところがあり、個人的にはできればそうなさってください、とお勧めします。
市販品をある商社から経由して購入しており、市販品を製造しているメーカとは直接取引しておりません。その場合でもその商社の外注評価をしないといけないのでしょうか? また、市販品を製造しているメーカが例えばISO9001(ISO9002)を取得している根拠(例:認証書の写し)を明確に文書で定めておけば、商社の外注評価は適用範囲から除外しても抵触はされないのでしょうか?
評価が必要なのは実際に製造しているメーカです。介在している商社は関係に(途中を飛び越えて)メーカを評価しないといけません。商社や代理店の存在は、気にしなくて構いません。メーカがISO9001(ISO9002)の認証を取得している場合は、そのように取り扱うのもひとつの手です。
なお、ISO9001(ISO9002)認証書の利用で注意がいるのは、そのScope(認証取得の範囲)と有効/無効の確認です。Scopeが取引内容をカバーしていない場合は、価値(意味)がありません。