このページはISO9000に関するケーススタディを掲げます
派遣社員の扱いは?
人材派遣会社から派遣されている社員の教育訓練についてお伺いいたします。当社では人材派遣会社の派遣社員を雇用し、製造作業を行う予定です。この場合、派遣社員に対して、正規の社員と同様に製造に関する教育訓練を行い、その記録を残すべきでしょうか?
また、当社の製造作業は特殊工程に近く、全員資格認定されています。派遣社員も必要なら資格認定するべきでしょうか?
なお、文書化も必要ですか? また、派遣社員を雇用するときの注意点があれば教えてください。
たとえ自社の正規の社員ではない人材派遣会社からの派遣社員であっても自社の(品質に影響する、注1)業務に従事させるとき(注2)は、品質上、社員と同じ扱いにする必要があるでしょう。
ISO9001(ISO9002)は形式や建前ではなく(品質自体がそうですが)、実質で考えないといけません。派遣社員だから別でよいという考えは、人事及び待遇等の問題ではあっても、品質上の問題ではないと考えられます。
たとえ派遣社員でも自社の組織に入って、例えばあなたの指揮監督下で仕事をするならば実質的に正規の社員と変わりませんから、品質上は彼らに対しても同じような扱いが必要です。
注1:経理などISOの要求項目と関係しない業務については、おそらくScopeから外されているでしょうから、こうした業務に従事する人は品質に影響しないと考えて構いません。
注2:派遣社員が自社の正規の社員とは「別の場所」で仕事に従事し、自社の社員とは識別でき、この派遣社員とは仕事のやりとり(契約、つまり仕事の依頼=仕様から成果の評価=受入検査まで)が明確にドキュメント化可能ならば、購買(役務の外注)として管理しても構いません。「別の場所」と書いたのは絶対条件ではなく、派遣社員の管理(仕事のやり方)が自社の責任外であることが明瞭かつ合理的に説明ができればよいのです。実質問題として、第三者から見て、派遣社員が正規の社員と(やっている仕事も含めて)見分けがつかない場合は、正規の社員と全く同じ扱いにする必要があります。
以上のことから正規の社員とほぼ同等に仕事をさせているのであれば、「派遣社員に対して、正規の社員と同様に製造に関する教育訓練を行い、その記録を残すべきでしょうか?」にはYesです。また「派遣社員も必要なら資格認定するべきでしょうか?」もYesです。
「文書化も必要ですか?」の文書化の意味がよく分かりませんが、もし上記のような扱いをするのだということを手順書のような規定にする必要があるのかという質問なら、貴社の中で考え方(派遣社員の扱いのポリシー)が一貫し、徹底している場合はNoです。何でも「文書化」する必要があるわけではありません(もちろん念のために行うのも宜しいわけですが)。
「派遣社員を雇用するときの注意点があれば教えて下さい」については、人材派遣会社も「下請負契約者」の評価対象になります。
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