JIS Q 14001適合の自己宣言

1.自己宣言とは

 環境マネジメントシステムの仕様と利用の手引が定められたJIS Q 14001(ISO 14001)規格は、審査登録(認証取得)の目的だけではなく、「自己宣言」の目的のためにも使えることが規格そのものに書かれています(序文および適用範囲を参照のこと)。

 JIS Q 14001に適合させ、環境にやさしい企業として広く一般に認められるためには、「審査登録」される(「認証取得」する)のがいちばんでしょう。しかし、そのためにはそれなりの費用(小規模企業の場合はひと声百万円!)がかかり、中小企業にとってはそれが足かせになって、JIS Q 14001への取り組みには後込みせざるを得ないのが実態と言わざるを得ません。
 日本国内にある中小企業の数は500万社とも600万社とも言われ、国内全企業数の99%以上が中小企業で占めているとされています。また、全従業員数の80%が中小企業に所属すると見られています。
 こうした大半を占める中小企業へのJIS Q 14001普及なくして、JIS Q 14001の普及はありえないことです。大企業や、一部の従業員だけがJIS Q 14001に取り組んだところで、全体に占める割合は限定的なわけです。
 そもそも、審査登録(認証取得)は必ずしも最終的な企業の目的ではなく、JIS Q 14001を経営(環境リスクマネジメント)の一手段として利用し、それに適合した環境マネジメントシステム(EMS)を構築することによって利害関係者、ひいては社会に環境への取り組み姿勢を示し、高まりつつある環境保全の社会的ニーズに応える、というのが真の目的ではないでしょうか。

 ちなみに自己適合宣言のための国際規格があります。強制規格ではなく、自己適合宣言する際に参考にすればよい(できれば準拠するのがよい)規格です。
 当初はISO/IEC GUIDE 22:1996(供給者による適合の宣言に関する一般基準)でスタートしましたが、その後ISO/IEC 17050-1:2004 Conforming assessment - Supplier's declaration of conformity−Part 1:General requirments 適合性評価−供給者適合宣言−第1部:一般要求事項(JIS Q 17050-1:2005)に全面改定されています。
 これにはPart 2(ISO/IEC 17050-2:2004 第2部:支援文書、JIS Q 17050-2:2005)もあって、自己適合宣言のための支援文書が用意されている。また関連規格にはISO/IEC 17000:2004(適合性評価−用語及び一般原則)があり、適合性評価の定義などが載っています。
 ISO/IEC 17050-1の適用対象になるのは製品・プロセス・マネジメントシステム・人・機関です。この規格の中身に目を通すと分かることだが、どちらかというと自社「製品」の規定要求事項への適合を自ら検証し表明するためのものです。
 供給者適合宣言という規格の表題がそれを物語っていますが、マネジメントシステムを自己適合宣言の対象にしても問題ない(規格づくりの段階では可否の議論があったようだが、そう結論づけられました)。この場合は供給者適合宣言とは言わずに自己適合宣言と称してもよいのだが、自己認証という用語は使用を差し控えることになっています(第三者機関による認証と間違われないようにするためです)。
 この規格が出てきた背景にはCEマーキングがあります。EUではすべての輸入製品には規定要求事項を満たし安全であることをCEマーキングで示すことが義務づけられているのですが、製品の分野によっては規定要求事項への適合は第三者機関によらず第一者(自ら)が明らかにし、供給者適合宣言しても構わないことになっています。これはそのために使える規格なのです。

 ISO/IEC 17050-1は序文、1.適用範囲、2.引用規格、3.定義、4.適合宣言の目的、5.一般要求事項、6.適合宣言書の内容、7.適合宣言書の様式、8.アクセス性、9.製品上へのマーク表示、10.適合宣言の有効性の継続 で構成されていて、附属書A(供給者適合宣言書)が参考に付いています。
 規格にも規定されていますが、供給者(自己)適合宣言するためには規定要求事項に適合していることを裏付ける適合性評価が求められています。そしてこれは第一者(内部)監査によっても、第二者(外部利害関係者)監査によっても、第三者(認証機関)審査によっても構わないことになっています。

 JIS Q 14001に適合した環境マネジメントシステムが構築できれば、審査登録(認証取得)よりも自らJIS Q 14001への適合性を判定(決定)し、自らそのことを利害関係者(ひいては社会)に宣言する「自己宣言」を採用する選択肢が用意されているわけです。
 また、いったんは正規に認証を取得し、その後は費用面などに事情があって認証を返上したものの、JIS Q 14001への「適合」状態を維持していることを対外的に実証したい場合にも、「自己宣言」をご利用いただけます。

 では、自己宣言はどのように行えばよいのでしょうか。どのようにすれば公平な適合性の判定(決定)ができ、どうすればその宣言を利害関係者(ひいては社会)に広く伝えることができるのでしょうか。
 実は、このための仕組みや制度(以下、スキームという)がありませんでした。スキームがないから自己宣言はどうすればよいか分からず、やろうとすれば自己流でしかやる手がなかったわけです。
 下手をすると自画自賛になってしまい、「自己宣言って、あの程度の出来でよいのか」「それなら当社も…」となれば、自己宣言の信頼を失い、かえってJIS Q 14001の普及に妨げとなりかねません。自己宣言だからこそ、自ら襟を正してきっちりとやらねばならないわけです。

 そのためには利害関係者(ひいては社会)から評価いただける自己宣言のスキームがまず開発され、それにもとづいて実施運用することが必要でしょう。そこには第三者による無償または実費の検証審査(JIS Q 14001への適合性の確認)もあって然るべきでしょう。自己宣言の公平性・客観性・信憑性の確保にも、第三者検証は不可欠な要件と言えます。

 自己宣言のスキームの開発は、JEMAS(日本環境管理監査人協会)、アイソ・ワールド株式会社のほか、セルフデクレル、知識経営研究所などが進めています。
 アイソ・ワールド株式会社の自己宣言のスキームでは検証審査は無償で行われ、CEAR(産業環境管理協会)に登録された正規の審査員(主任審査員を含む)数名が担当します。その審査のクオリティは、審査登録機関が行う審査と同等もしくはそれ以上を確保しています。
 また、アイソ・ワールド株式会社はJEMASと密に情報交換しながら、開発の歩調を共にしています。以下のページに掲げる自己宣言のスキームと実際の事例は、アイソ・ワールド株式会社によるものです。

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