マネジメントシステム診療所
ISO 9001/ISO 14001にもとづくQMS/EMSを構築し、認証も取得しているのだが、形だけのものになって一向に会社は良くならない…そんな話は決して珍しいことではありません。あなたの会社もそういう慢性的な症状に悩んでいませんか? 審査登録費用(登録維持費用)を払いながら気の進まないシステムを義理・義務で維持しているとすれば、ムダを通りこして会社にとってロス以外の何モノでもありません。この診療所で、そのための治療を受けてみませんか?
なぜ、こういうことになるのでしょうか。その原因となるものは各社各様ですが、ストレス・生活習慣・体質遺伝(←どこかで聞いたような…)など、各社に共通した(多くの場合、根の深い)慢性的な要因が幾つか上げられます。この診療所のドクターである辻井浩一は、長年に亘る審査・コンサルティング・研修を通して得た多くの診察・治療(手術を含む)経験と実績から、病根とそれを進行させる病理環境をつかみ、処方箋の作成と訪問治療を行い、形だけのマネジメントシステムを生きた(パフォーマンスを向上させ業績改善につながる)システムに健康回復させるための処置(内科的処置/手術を含む外科的処置)を実施しております。
【解説】 ISO 9001/ISO 14001・適合性評価・審査登録制度にみられる誤謬(ごびゅう)
なぜQMS/EMSが形骸化し、会社にとってさほど役に立たないものになってしまうのでしょうか。この疑問を解き、どこに問題の本質があるかを理解するのには、ISO 9001/ISO 14001の歴史と審査登録制度にまで遡る必要があります。以下の解説でその要点を明らかにします。
これがNASAやNATOのほかカナダや英国などにも伝わり、多少の改変を伴いながらも第二者監査(購入者が供給者を監査する)のための規格として発展したのです。しかし、購入者も供給者も多岐に亘るようになると(当時は品質がよくなかったため)第二者監査だらけになり、購入者も供給者も対応が大変になってきました。そこで共通的・普遍的に使える(購入者からの)要求事項を標準(規格)としてまとめたものが必要になってきたわけです。
この作業を行ったのが英国で、それはBS 5750という国家規格になりました。また、様々な購入者になり代わり、第三者(審査登録機関)が代表して供給者を監査し、問題なければ登録するという審査登録制度も作り上げたのです。サッチャー女史が首相を務めていた頃です。その後まもなく、国際間取り引きのためにも国際的な規格が欠かせないという認識が広まり、BS 5750がベースになって各国の参画のもとに出来上がった国際規格がISO 9000シリーズでした。
そういうことで、ISO 9001は購入者が安心して物品・サービスを調達できるように、供給者に対する要求事項を定めた購入者の規格…というのが出発点になっているのです。実際、ISO 9001を作り上げる過程では、当初この規格は二者監査のための規格という想定でした(最終的には第三者審査にも使えるように修正が入ったわけですが)。
ですから、ISO 9001を標準規格として用い、審査登録制度によって第三者(審査登録機関)が審査するということは、多数の購入者(つまり顧客、広く言えば市場)を代表して供給者を監査していることに他なりません。登録は、その供給者は取り引きしても大丈夫であると、様々な購入者(顧客、市場)に対して表明していることなのです。
同様にISO 14001を標準規格として用いた審査登録制度では、(環境保全という観点から見て)その会社を地域や社会の一員として受け入れても大丈夫かどうか、地域や社会になり代わって第三者(審査登録機関)が確かめ、認証していることになります。
以上を整理し、焦点を絞って言えば、ISO 9001/ISO 14001は市場/社会にとって安心(信頼・満足)できるための要求事項をまとめた規格であり、審査登録は市場/社会に対してその会社が規格を満たしてOKであることを知らしめるもの、ということになります。ISO 9001/ISO 14001を導入して認証・登録されれば(それまで仕事のやり方がデタラメであった会社は、まともな会社レベルまで改善はされるでしょうが)会社が良くなり業績も上がる、というのは過剰な期待でしかありません。少なくとも、単にISO 9001/ISO 14001の認証を取得しているだけでは、最小限度世間並みのまともな会社レベルになっただけのことに過ぎないのです。
ISO 9001/ISO 14001をやっているだけでは、会社を良くするのには効果が薄いわけです。このことをよく理解し、肝に銘じないと、期待はずれで役立たずのQMS/EMSは直りません。
(モノゴトの見かた)
この件は“審査登録機関の顧客は誰か”という問題にも関わってきます。
以前はISO業界の中に審査登録機関の顧客は受審会社だ、とする人々がたくさんいました。審査登録機関は受審会社から直接的に審査の依頼を受け、審査契約を結んで審査費用を払ってもらうため、審査登録機関の顧客は受審会社だとするのは直感的に分かりやすいものです。この場合、受審会社(購入者)−審査登録機関(供給者)は、二者間取り引きの関係になります。二者間取り引きでは、審査登録機関は受審会社の直接の利害関係者となり、提供するサービス(審査)の公平性・客観性・信頼性に重大な影響を及ぼしかねない心配が生じます。
表面上の取り引き関係はそうであっても、審査登録機関は第三者であることが本質的に重要で、市場や社会を真の顧客と見立てなければならないことに注意する必要があります。このように“審査登録機関の顧客は誰か”には矛盾する二面性があり、これが現実に様々な問題や軋轢(あつれき)を生むモトになっています。
わかりやすい例え話で言えば、「道路交通法」を審査基準にして運送会社が審査登録機関から適合性評価(審査)を受け、登録されるようなものです。その運送会社の取引先や、道路沿いの住民、行政(警察署など)、投資会社(株主)など(ひとことで言えば利害関係者)にとっては「道路交通法」に適合した証は安心材料になるかも知れませんが、道路交通法への適合が継続して認められても、それだけでは運送会社にとってはそれ以上の進歩はないわけです。経営者にとっても(交通事故などの経営リスクは減って助かるかも知れないが)会社が良くなり業績の好転にも寄与した、という感触は得られないでしょう。
モノゴトの道理を説明するのに、演繹的方法と帰納的方法があります。演繹的方法というのは、決まった法則やルールに従って、あるテーマについての結論を導き出す方法です。審査でQMS/EMSの適合性がどうであるかという結論を標準規格(審査基準)に従って導き出すのは、まさに演繹的方法によるものです。税務調査や財務監査などの行政監査もまったく同じで、形式的なお役所仕事のひとつに数えられます。
法則やルールがマニュアル・規定(場合によっては法規制)であれば、それに従って結果を出す仕事も演繹的であると言えます。演繹的手法は、法則やルールに間違いがなければ、結果(結論)は誰がやっても同じになり、画一的で公平なので信頼が置けるかも知れませんが、下手をすると(往々にしてそうですが)形式的で非効率的なお役所仕事になってしまいます。
標準規格やマニュアル・規定・法規制(という法則やルール)に“適合”させるということは、演繹的方法で仕事をするということであり、本質的に形式的で非効率的なお役所仕事の性質を内在させています。マニュアル・規定などに決められたことを忠実に淡々と(適合して)やっていては形骸化する、ということです。そういうわけで“適合”に努力するばかりでは、形式的なお役所仕事に邁進する心配があります。このこともよく理解し、肝に銘じておかなければ、非効率で形式的なQMS/EMSは直りません。
(モノゴトの見かた)
“適合”はある意味でコンプライアンス(法令などの順守)です。コンプライアンスがしっかりしていれば、法令違反で取り締まり機関から咎められたり社会的な制裁を受ける心配が減り、それだけ経営リスクが少なくなり、会社の経営は安定します。ですがそれだけのことで、それ以外は会社を良くしたり業績を向上できる要素は見当たりません。
審査員ができるのは、適合性の評価(適合/不適合の判定、つまり演繹的結論)、規格要求事項の解釈の説明、審査に付加価値をつけること、です。ここでいう付加価値とは、例えば審査を通じて明らかになった改善の余地を示すことですが、その具体的な解決方法(どうすればよいか)まで提示するのは許されていません。
もっとも、高い審査費用を払った受審会社の期待(改善ができる具体的方法など経営に役立つ情報の提供)に何らかの形で応えないと不満を持たれ、先行きの審査業務がジリ貧になる心配があるため、具体的な解決方法を直接口にしないまでも、審査を通じて気付いて(察して、分かって)もらえるような審査を心がける審査員(審査登録機関)が増えています。
では、ISOを手放すことなく、仕事の役に立ち会社を良くするQMS/EMSに直すのには、どうすればよいのでしょうか。残念ながら、審査員はこれに答えてくれません(コンサルタントならやってくれます)。審査を通じてそれなりに察することは可能でしょうが、それが適切であるかどうかは何の保証もなく、自ら解決しなければなりません。この診療所では、そのお手伝い(治療)をいたします。
【解説】 パフォーマンス(マネジメントの結果)を向上させ業績改善につながるシステム
お役所仕事をしていれば済む場合を除いては、どのような会社も「パフォーマンス」の向上がなければ、やがては淘汰されるでしょう。お役所仕事をきっちり実施していれば安泰な場合は、上記の解説のように“適合”状態を維持さえしておけばよろしい。パフォーマンスの向上までは問われません。しかし、市場や社会からの厳しい要求に応え続けなければ生き残れない場合は、常にパフォーマンスを向上させ、最終的に業績・競争力の改善につなげて市場や社会のニーズと期待に応えることです。
パフォーマンスを向上させるためには、決められたことを忠実に実施し要求事項を満たす(つまり“適合”状態を維持する)だけではダメで、プロセスとシステムの“有効性”を高め、選択と集中によりねらいを定め、見込みどおりの結果を効率よく出さなければなりません(有効性については、以後の説明を参照ください)。パフォーマンスは結果系であり直接コントロールすることはできませんので、よいパフォーマンスを得るためには、それを生み出すプロセスやシステムに目を向ける必要があります。
では、プロセス、システム、製品、会社のパフォーマンスとして、どういうものが考えられるのでしょうか。わかりやすい順番にパフォーマンスの項目例をあげましょう。
これらは幾つかの例であって、各社の状況によってパフォーマンスの項目は様々なものがありえます。
どう改変すべきかは、パフォーマンス重点志向にするのです。前記のパフォーマンスの項目例を参考にして各プロセスごとに適切なパフォーマンスの項目を決め、それが継続的に向上するような工夫を凝らすことです。そのパフォーマンス項目が見込みどおりに向上しているか否かは監視・測定も必要です。製品のパフォーマンスもシステムのパフォーマンスも会社としてのパフォーマンスも同様で、最終的には業績改善に結びつけなければなりません。
パフォーマンスを向上させるためのキーワードは“有効性(効果)”と“効率”です。有効性については、以後の説明を参照ください。

なお、プロセスパフォーマンスの部分最適化(プロセスのパフォーマンスを最大化すること)が必ずしも全体最適化(会社としてのパフォーマンスを最大化すること)につながらないことに注意してください。
【処方】 営利をも追求できる効率的な価値創造型のシステムに
パフォーマンスを向上させ、以って業績に貢献する具体的な処方箋は各社の状況によって異なりますが、基本的には次のような処置を組み合わせて実施することになります。
ISO 9001/ISO 14001の規格の章立てに合わせてマニュアルを書くような、バカなことをしてはいけません。ISO 9001/ISO 14001の規格要求事項を裏返しに書き替えるようでもいけません(意味がありません)。“まず規格ありき”という演繹的な考えでQMS/EMSを構築してはいけません。会社の実態にピッタリと合い、経営方針(目指すところ)に照準を定め、そのためのQMS/EMSを“帰納的に”構築し、結果としてそれがISO 9001/ISO 14001の規格要求事項にも適合している…そのようにしなければならないのです。
再構築したシステム/決めごとは、もちろん従業員の誰でも分かるように表現しなければなりません。体裁にこだわり綺麗ごとを並べるようでは形だけになってしまいますので、建前にならないようにします。
“適合”とは極論すれば(悪くすれば)、決めごと(規格・マニュアル・規定・法規制などに定められたこと)をただやっているだけ、のことです。それも決めごとが良ければ助かりますが、決めごとがまずければ会社全体が健康を害することになります。
“適合”の呪縛から目を覚まし、その次に進むべきステップは“有効”です。有効とは、何かの仕事(活動)を実施したら、その仕事(活動)に求められた(期待した)結果をより確実に出せることを指します。例えば、内部監査はやったが、それに相応しい結果が出ない(ただやっただけ)ようでは、内部監査は有効とは言えません。単に決められたとおりに実施するだけでは適合かも知れないが、必ずしも有効(効果的とも言う)とは限らず、それでは会社は良くならないのです。
“有効”のさらに次に進むべきステップは“効率”です。より少ない経営資源の投入で同じだけのアウトプット(成果)を出すか、投入する経営資源が同じならより多くの(高い)アウトプットを出せるように、業務効率・経営効率を改善することです。ここまで来れば会社の業績は上がり、競争力がつき、同業他社の追従を許さない差別化ができるでしょう。
照準はプロセス(活動)、製品(サービス)、システム、会社としての“パフォーマンス”に当ててください。これらのパフォーマンスが向上するように有効性と効率を高め、最終的に会社の業績改善につながるようにします。
マネジメントシステムの中にパフォーマンスに関することをしっかりと織り込みましょう。目標にも、監視・測定にも、継続的改善にも、内部監査にも、マネジメントレビューにも、パフォーマンスに関することを最優先に含めることです。
(モノゴトの見かた)
長けた“固有技術”がないと競争優位にはなりません。マネジメントシステムだけでは競争できないことに十分注意してください。どこにも負けない“固有技術”を磨き上げ、コアコンピタンスを高めることが競争には不可欠です。ISOの規格には、これが欠落しています(規格で言及することを避けている、とも言えます)。
やる気になり、やり甲斐が感じられるようになれば、形だけのマネジメントシステムから成果(とくにパフォーマンス)の出るシステムに変り、会社も良くなるものです。要求事項の達成(適合)を従業員に求めるだけではなく、前向きに仕事に取り組めるような仕掛け(場合によってはインセンティブ=奨励策)をシステムに織り込むことも必要です。
労働組合・取引先・協力会社・地域社会・株主などの利害関係者とは良好な互恵関係を築き、会社の持てる能力(企業価値創造能力)が最大限に発揮できるようにすることも不可欠です。
【問診】 症状の自己診断
診察を始めるのに先だって、次の問診票にいまの症状をご記入ください。
| === 問 診 票 === |
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記入年月日: 年 月 日
1.患者(会社・事業所)氏名:
マネジメントシステム診療所
アイソ・ワールド 株式会社 |
マネジメントシステム診療所で診察・治療を受けられる方は、この問診票を持参ください。
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