スウェーデン発の、新しい環境戦略は企業を救う?
〜環境教育「ナチュラル・ステップ」の広がり〜
監修 ナチュラル・ステップ
カール=ヘンリク・ロベール
スウェーデンの産業界は今や環境戦略において世界の最先端を走っている。その原動力のひとつに、環境教育団体「ナチュラル・ステップ」の活動があげられる。ナチュラル・ステップが提唱する持続型社会の基本理論は、将来にわたって利益を確保したいと考えている企業にとって、進むべき方向を見失わないための「羅針盤」の役割をはたしている。
1989年、カール・ヘンリック・ロベール博士により、スウェーデンで発足したナチュラル・ステップは、国内で急速にその支持率を高めていった。そうした背景から、1996年にはイギリス、アメリカをはじめとする先進6カ国で支部組織が結成された。
アメリカ・ゴア副大統領もその活動を支持しているひとりだ。
現在、日本支部の設立準備も進んでおり、この11月に行われたロベール博士の来日講演とセミナーには、産業界や環境団体などから、数多くの人たちが参加し、関心の高さがうかがわれた。
ナチュラル・ステップの理念は科学的かつ明確という点から、より多くの立場の人たちに受けいれられ、スウェーデンでは、国王であるグスタフ16世をはじめ、政府、自治体、学会、産業界、もちろん一般市民に広まった。そのなかには、環境保護には消極的と考えられがちな、石油業界や運送業界なども含まれている。また、ISO14001との組み合わせによる相乗・補完効果で、持続型社会を先取りする、経営戦略ツールとしても高く評価されている。
日本でも、地球環境問題が企業活動の直接の制限要因になると考えられ始めている。スウェーデンにならって、こうした動きをしていくことが、結果として生き残る企業につながってくるだろう。ナチュラル・ステップの考え方は、将来のリスクやコストを回避し、適正な利益を確保するための具体的な方法のひとつではないだろうか。